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保護者の皆様へ

子どものかけがえのないいのちが大事

東京シューレ葛飾中学校 校長 奥地圭子

2007年4月、ここ葛飾の地に、私たちは新しいタイプの学校を開校いたしました。学校法人「東京シューレ学園」が運営する、定員120名の私立中学校で、不登校の子どもたちを対象としております。

この学校を作る母体となったのは、特定非営利活動法人(NPO法人)東京シューレです。東京シューレは我が国の不登校の激増を背景に、1985年学校に行かない、行けない子どもたちの成長支援のため、学校外の居場所・学び場を開設し、フリースクールや在宅で学ぶ子の支援、若者の探求や親の学び合い・支え合いなど、様々な活動を行ってきました。

その22年目に、この「東京シューレ葛飾中学校」を誕生させることになったのですが、それは、子どもを中心とするのびのびとした学びの場が大きく実績を上げてきた経緯から、この営みが公教育として展開できたら、子どもも親もとても安心して育つことができる上、社会の中に、多様な選択肢が増えることで一層の教育の充実が得られるのではないかと考えているからです。

不登校の子どもと申しましても、特別な存在ではなく、いろいろな事情・状況がからんで、ある時学校と距離をとることになった子どもたちであり、文部科学省の言っているように「誰にでもおこりうる」ものなのです。

しかし、不登校にいたるまでに苦しい思いをしたり、不登校した後にも理解されなかったり、不安や自己否定感をもったりする状況があります。

私たちは、不登校を体験したことが恥ずかしいことではなく、貴重な体験ととらえ、苦しかった気持ちを受けとめられ、理解しあいプラスのエネルギーに変えて行くことの大切さを感じています。かつて不登校だった先輩たちが、保育士、新聞記者、レストラン店長等々社会で活躍しているのを見ても、また、人の痛みのわかる優しい一人の大人として周囲の人とともに穏やかに暮らしているのを見ても、不登校だからといって焦ることも希望を見失うこともないのです。

子どもたち一人ひとりが、かけがえのない生命を持ち、自ら成長力と個性を持った存在です。それを大切にしながら、子どもが創る学校、子どもと創る学校を目指し、実践を重ねている最中です。

不登校の子どもたちと付き合った経験の長いスタッフが多いうえ、スクールソーシャルワーカーもいます。また、不登校期間の違いから生じる学力差を考え、授業におけるスタッフは必ず2~3名の体制で臨みます。1ホームが20名であり、異年齢であることなども、子どもにはとてもやりやすいことでしょう。

この学校のスタッフは、子どもを見るまなざしが暖かいと感じられることでしょう。 1日も4時間授業で、一般の中学の8割の時間数で文部科学省に申請、認められたカリキュラムで行っていますが、時間数に不安な方もいるかもしれません。これは、授業時間の時間(それぞれの時間)を長くとることで、子ども個人のやりたいことをより大きく取り組める良さがあり、部活的なものだけでなく、学習も補充できます。

子どもたちは、次第に落ち着き、2学期には、文化祭、修学旅行、カルチャーフェスティバルなど、3つの実行委員会が同時に活動しています。NPO東京シューレとの連携も密にとっており、スポーツ交流会や合宿など、子どもたちが楽しみにしています。

この学校は、葛飾区との連携で生まれた特区制度活用の学校であり、市民の皆さんで作り出した学校です。今後も地域の皆さんとともに連携しつつ、心豊かな子が育つよう進めていく所存です。どうぞ皆さんもお仲間になってください。